痩せていることが健康的に優れているという主張が過ぎると、必ずと言って良いほど振り戻しの説が現れる。
肥満は今では「体脂肪率」として数値化され、痩せすぎだの、太りすぎだのと実際の状態を「良くないよ」と警告し、ダイエット産業の宣伝文句が流行り出す。
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今回は統計的数字に基づいて、アメリカの「カール・J・ラヴー医師」と「クリスティン・ロバーグ医師」により発表された「肥満のパラドックス」を観察してみる。

「肥満」は「BMI(ボディマス指数)」によって厳格に過体重とか不足体重と判断されるのだが、両医師によれば、痩せている人(BMIが17以下)の人は太っている人(BMIが32以上)に比べて、長生きしている訳ではないと長年の追跡調査を基に説明している。
過体重や軽度の肥満の人々は、標準体重と見なされている人よりも、腎不全、心臓疾患、糖尿病、冠動脈疾患の際に生き残りやすいと主張している。
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指標としている「BMI」は個人の体型の状態を見定めるには、あまり正確な指標では無いと言う。
BMIや適正体重は以下の式で求められる。
BMI= 体重kg ÷ (身長m)2
適正体重= (身長m)2 ×22
BMIによって求められる肥満度は以下の通り。

範囲 肥満度 BMI 適正体重
18.5未満 低体重
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満(1度) 私はここに入ります。
30~35未満 肥満(2度)
35~40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

問題は八頭身もある美人の話では無い。
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頭だけがひょろ長いだけで、身長が伸びている人(ジャイアント馬場タイプ)やお腹にたっぷりと脂肪のあるタイプ(白鵬タイプ)、又はお尻がぷっくらとして片方で顔のサイズ以上もある人(ブラジル人の肥満女性)や下半身だけがやたらと太い人(ラグビー選手)も身長と体重だけでの関係だから「過体重(肥満)」と出たり「不足体重」と出る訳だ。
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BMIはこうして考えるだけでも適切な肥満度を測る指標では無いと分かるのだが、数字のマジックとでも言うべきか、盲信して一喜一憂している方が多い。
New York Times」は過去の社説の仲で「自分のBMIが過体重を示しているからと言う理由でダイエットを始める前に、BMIが実際に表している内容や、健康状態や長寿とBMIとの関係についての知識を考慮しましょう」と呼びかけている。
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「アーノルド・シュワルツェネッガー」氏が男性としてほぼ理想的な体型の見本として「ミスター・ユニバース」の称号を勝ち取ったときも、「BMI値で換算すれば肥満」と見なされるものだった。
メルボルン大学の医学部の「ジョセフ・プロイエット教授」は「二人の人がいて一人はBMIが「19」標準ですがやや痩せていて、他方はBMIが「34」で肥満とします。双方の人が心臓発作を起こしたときに、データが示すのはBMIが「34」の人が生き残る可能性が高いという結果なのです」と述べている。

「BMI」の数値や「痩せている」「太っている」だけの評価で安心してはいけないのだそうだ。
だが!
万遍無い栄養素を摂取することや適度な運動をすることは健康な体を維持するのに大切であることには変わりは無いのだから・・・
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勿論、痩せ「すぎ」や、太り「すぎ」が健康に良くないことは自明だから、このブログを読んだからと「なぁんだ、痩せなくてもいいや!」等とユメユメ思わないで頂きたいからご注意を。
ストレスも無くすように生きたいね。